
今日は境港を訪問します。目的地は「水木しげる記念館」。大変失礼ながら、妖怪に特別な興味がある訳ではないのですが、調べてみると、この記念館はかなり評判がよいようです。
そして、本日の天気予報は雪。それも「しっかり積もる」とのこと。雪が降ると、正直色々と大変ではありますが、それでもやっぱりワクワクしてしまいますよね。冬の雪国にきたのだから尚更です。という訳で、雪の中での妖怪巡り?というなかなかレアな経験をすることになった一日となりました。
これが「ベタ踏み坂」 ~ 本日は大雪なり ~

昨夜から明日の朝にかけて大荒れの予報が出ており、ここ松江でも明け方には積雪の可能性があるとのことでした。夜中にふと目を覚ますと、強い風でトレーラーが揺れ、屋根には雪が叩きつけられるような音。「雪というより、みぞれに近いなぁ」と思いながら再び布団をかぶったものの、風の音で何度も目を覚ましていたのでした。やがて空がうっすら明るくなる頃には、ようやく風が少し落ち着き始めたようです。
そして朝7時。気温は2℃。ブラインドを開けてみると……あらら、雪はほとんど積もっていません。ちょっと楽しみにしていたんだけどなぁ。

9時に出発。走り始めると雪はみるみると激しさを増していきました。朝はみぞれ混じりの雨だったのに、次第にふわふわとした雪へと変わってきた感じです。勢いよく降り続けていて、このままだとかなり積もりそうな気配でした。
そして、松江の街を抜け、少し山道へ入るだけで積雪量は一気に増えてきました。途中、竹が雪の重みで道路に倒れかけている場所もあり、本格的な雪国の雰囲気です。今日はデリカ単体の移動なのでそこまで心配はしませんでしたが、トレーラーを牽いての移動日だったらかなり大変でしたね…。

右手に中海を眺めながら海中道路を進み、大根島へ。この先、「ベタ踏み坂」として有名な江島大橋を渡ると、そこは鳥取県になります。
そう、ふと気になって調べてみました。「宍道湖は汽水湖と聞くけれど、どこで海とつながっているんだろう?」パッと地図を見た感じでは、宍道湖と日本海の間はそれなりに距離がありそうにみえるんです。
答えはというと…「日本海→境水道→中海→大橋川→宍道湖」という流れで、海水が宍道湖に入り込んでいるんだとか。しかし、そうなるとさらに疑問が湧きます。「宍道湖と中海を結ぶ大橋川は、流れの向きが変わるということ?」「宍道湖と中海に高低差はないの?」
これも調べてみると、宍道湖と中海の海抜は同じで、大橋川は潮の満ち引きや風向きによって流れが逆転するらしいです。なかなか興味深い話だなぁ。これまで日本地図は「愛読書」といえるほど眺めてきたけれど、実際に来てみると新しい発見があるものですね。

やって来ました!これが、有名な「ベタ踏み坂」。
橋の下を大型船が通れるようにするため、この橋は海面から約45mもの高さが確保されています。海抜0mから一気に45mまで上るため、見た目はとても急で「アクセルをベタ踏みしないと登れない」と言われたことから、この愛称がついたそうです。
とはいえ、そう見えるのは周囲に高い建物がなく、背の高い橋だけがぽつんと架かっているからなんだとか。実際の傾斜は島根県側が6.1%、鳥取県側が5.1%で、特別きつい坂という訳ではないようです。もちろん、ベタ踏みしなくても普通に登れるとのこと。ただ、今日は何しろこの雪です。少し不安はありました。
結果的にはまったく問題なし。4輪スタッドレスの4WDなのでスリップすることもなく、デリカD:5のディーゼルエンジンは2000回転にも届かず軽々と登り切ってしまいました。 ただ、肝心の眺めはというと……あたり一面が真っ白で海すら見えず。どれほどの高さにいるのか実感できなかったのは、少し残念でしたねぇ。
水木しげるロード

境港駅に到着。すごい雪です。そして風も強く、飛ばされてくる雪がみるみる衣服や顔面に張り付き、寒いのなんの。
完全に雪国の風景で、どんどんテンションが上がってきました。

さて、こんな天気ですが、境港駅から続く水木しげるロードを歩いてみようと思います。

駅前広場には鬼太郎をはじめ、たくさんの妖怪の像が並んでいました。
こっちにもそっちにも。どれも雪をかぶってしまっていて、何の妖怪なのか判別しづらいのだけれど、その“雪化粧した妖怪たち”がまた気分を盛り上げてくれます。まさか雪の中で妖怪見物をすることになるとは思わなかったです。

こちらが、「ゲゲゲの鬼太郎」の作者、水木しげるさん。
水木しげるさんについては、この後、「水木しげる記念館」で色々と勉強をさせていただきました。ところで、「水木」という名はペンネームだったんですね。しかもその由来はというと…漫画作家になりたての頃、神戸で「水木荘」というアパートに住んでいて、編集者の方から「水木さん」と呼ばれていた。何度、本名を伝えても覚えてもらえず、そのまま「水木さん」が浸透してしまった。とのこと。なかなか面白いエピソードですね。

ポストの上には鬼太郎。

やってきた列車も妖怪ラッピング。
「この列車で米子を往復してみようかな」とか、「途中にある米子空港で飛行機を眺めてみようかな」とか思ったけれど、家族の理解を得ることは難しそうだったので諦めました…(笑)。




駅前広場はこんな感じ。妖怪だらけです。
すごいな…(笑)

さて、「水木しげるロード」を歩いて、水木しげる記念館を目指します。




いやはや驚きました。境港が“妖怪の街”だとは聞いていましたが、ここまで徹底しているとは!
街じゅうが妖怪だらけ。しかし(しかも!?)、とてもオシャレ。「怖い」とか「気持ち悪い」という雰囲気は全くありません。そしてこの雪とあって、歩くのが楽しくて仕方ありません。
水木しげる記念館

吹き付ける雪はますます強くなってきて、服も濡れてきてしまいました。
そろそろ辛くなってきたぞ…という頃、どうにか到着。

ここが「水木しげる記念館」です。

館内はまるで別世界のように暖かく、妖怪だらけなのに天国のような心地よさでした(笑)。
スタッフの方々も「こんな雪の中、来ていただいて…」と丁寧に迎えてくださり、その言葉に心身ともに救われた気がしました。いやぁ、本当にすごい雪だったなぁ。

ところで、水木しげるの「ゲゲゲの鬼太郎」は私でも知っています。子どもの頃、テレビで見た記憶があります。しかし正直なところ、それだけで「妖怪の町・境港」を訪れてみようと思うほどの興味は持っていませんでした。
ところが「水木しげる記念館」を訪れてみて、「ゲゲゲの鬼太郎」というより、水木しげるさんその人への印象がガラリと変わってしまいました。そう、この記念館は妖怪の博物館ではなく、水木しげるさんの生き方や思想に触れられる場所だったんです。ここで私は深い感銘を受けました。

水木さんは赤紙で招集され戦争を経験し、その中で左腕を失いました。
そして、終戦後は漫画家になり、作品を通して平和の大切さを訴え続けてきました。

徴兵から南太平洋での戦い、マラリア、飢餓、理不尽な軍隊生活などを描いた『総員玉砕せよ!』。さらに水木さんが生きた時代を描いた『昭和』など、妖怪とはまったく異なるテーマの作品が多数あったことを私はここで初めて知りました。

そして、それらの作品の中で綴られた数々のメッセージには深い言葉がたくさん残されていました。

その中の一つ。
「結局、人間は死があったほうがよい」
そう簡単に口にできる言葉ではありません。しかし、それを口にできるほどの経験を、水木さんは重ねてきたんですね。

ここが「水木しげる記念館」であるということがよくわかりました。
そう、妖怪の博物館ではありません。ここは水木さんについて知ることができる記念館だったんです。




図書コーナーには、水木さんの作品がずらりと並んでいました。
子ども達は当然のように本の世界へ吸い込まれていき、私も読み込んでしまいました。描かれているメッセージは重いものばかりなのに、漫画だから、子どもにも大人にもすっと入っていける読みやすさがあります。
その中でも私が特に惹かれたのは『昭和』でした。便利さに恵まれた現代では見えにくくなってしまった“本当に大切なもの”が、この作品の中に記されている気がしたのでした。

こんな天気の中で来たから、余計にインパクトが強かったのかもしれません(笑)。
ここは、絶対に訪問する価値がありますよ!超、お薦めスポットです!

記念館を見学している間に雪はさらに降り積もっていました。
ゆっくりと戻りますか!
妖怪神社

通り沿いにあった妖怪神社に寄り道。




目玉のおやじ

一反木綿(いったんもんめん)!?

妖怪神社の落成・入魂は2000年とのこと。「妖怪たちが住みやすい自然環境を守り育てる」という願いを込めて建立された、全国でも珍しい“妖怪を祀る神社”なんだそうです。御祭神は日本全国の妖怪とのこと。
いやはや…「妖怪の町・境港」なかなか面白いです!

デリカに戻りました。
3時間弱の滞在で5cmちょっと積もった感じです。

いやぁ〜、楽しかったな。
妖怪に対するイメージが変わりました。最初は、「街中が妖怪だらけってどうなのよ…?」なんて思っていましたが、本当に面白かったです。そして、水木しげるさんに学ばされたことがたくさんあった境港訪問でした。

さて、松江に戻ります。
再び「ベタ踏み坂」。

積雪はそこまでではない?

往路よりは少し視界が開けていたので、橋の高さを実感することができました。
堺港訪問の際には、水木しげるロードと共に訪問したいスポットですね!

帰り道は三保関八束松江線(島根県道338号)を走ってみました。この道は、農地造成のための干拓事業として海と中海を仕切る堤防 の上に造られたそうです。
ちなみに、中海は波が穏やかなため、堤防を高くする必要がなかったのだとか。そのため、道路と湖面の高さの差がほとんどなく、両側がすぐ水面。まるで湖の上を走っているような感覚を楽しめる道路です。この日も十分楽しめましたが、晴れた日に走ったらまた雰囲気が違ったんでしょうねぇ~。
RVパーク宍道湖

RVパークに戻りました。
期待通り、駐車場は一面真っ白。

子ども達は車を降りるなり、水を得た魚のように遊び始めました。
そして、それに合わせてオーナーさんが雪かきに来られて、お話しをすることができました。このRVパークはネットで予約した際にカードで決済を済ませてしまうため、到着後にオーナーさんと顔を合わせる機会がなかったんです。4泊の間、いつの間にかトイレがきれいになっていたり、トイレットペーパーが補充されていたりしたので時々来られているのだろうとは思っていたのですが、「旅は人との出会い」と思っている私としては、オーナーさんにお会いできないことを残念に感じていました。
オーナーさんの話によると、この程度の雪は珍しくなく、多い時は今日の倍ほど降ることもあるらしいです。そして、このRVパーク誕生までの逸話や松江のことについて、色々と聞かせていただくことができたのでした。

子ども達は寒さなんて気にせず、雪遊びに夢中です。

長女と次女は二人で協力して雪だるまを作っていました。

これだけの大きさになると、かなり重かっただろうに…。

完成!なかなかいい感じに出来上がったね!
RVパーク宍道湖のマスコット完成です!(笑)

今日は境港を訪れただけだったので、少し時間を持て余したような気もしていましたが、結果的には大正解でした。
子ども達が雪遊びを思いきり楽しんでいる姿を見て、改めて「旅はゆとりをもって、のんびりがいいね。」ということを実感したのでした。

4泊を過ごしたRVパーク宍道湖。
目の前を走る道路の騒がしさはちょっとありますが、この風景はやっぱり素晴らしいです。

ところで、オーナーさんの話によると、今日は電源サイトが予約で満席だったものの、この雪でキャンセルが相次いだそうです。
外から訪れる旅行客の中には、スタッドレスが必要になるほど降るとは予想していない方も多いのかもしれませんね。

雪遊びの後はトレーラーにておやつタイム。
今日は贅沢なメニューです。

一つ目は明月堂の『博多通りもん』。こちらは友達からいただいた福岡土産です。 練乳・バター・生クリームが加えられた、めちゃくちゃ美味しいお菓子でした。
ところで、このお土産をくれた友人は、トレーラー修理のため茨城~福岡を6日間で往復するという偉業を成し遂げました。当然ながら、トレーラーを牽引して訪九、そして、わずか2日間で修理を済ませて帰って来たんです。
その帰り道、神奈川の通過時間に見通しがついたところで連絡をくれたので、東名のPAにて落ち合い、しばし団らんの時間を持たせていただきました。その時にいただいたのがこのお土産です。
このお菓子も、まさか福岡から神奈川まで旅をして、そして神奈川から島根まで旅をして食されるとは思ってもいなかったでしょうねぇ~。

そして、こちらはというと、パパと長男が鉄道博物館へ二人で遊びに行った時の家族へのお土産です。

面白いのは、ペーパークラフトの券売機からクッキーが出てくるというもの。

クッキーはこんな感じ。鉄道好きの子どもにはたまらないですね!
鉄博での売店にて、「お土産人気No.1」と案内されていました。

さて、4泊を過ごした宍道湖を明日には出発します。
次の目的地は鳥取市。またまた県境を越えて、新しい土地の訪問です!
備忘録
1月2日(金)
RVパーク宍道湖9:10→10:05境港12:50→13:55買い出し14:20→14:25RVパーク宍道湖
本日の走行距離:牽引あり0km+牽引なし58km=58km
この旅での走行距離:牽引あり1165km+牽引なし169km=1334km