
今日は石見銀山の訪問です。
石見銀山は、島根を訪れるのであれば出雲大社と並んで外せないポイントになるのではないでしょうか。私としては、400年もの昔にヨーロッパと繋がっていたというその歴史にも興味があります。子ども達にはちょっと退屈な内容かもしれませんが、これまたいずれは教科書のどこかに出てきそうなものですから、少しでも触れておくと後々思い出せるかもしれません。
と言う訳で、今日は石見銀山を訪れ、その先は松江市へと移動する一日になりました。
石見銀山

「道の駅・ごいせ仁摩」で迎えた朝です。2022年1月にできたばかりのとてもきれいな道の駅で快適でした。
来てから気づいたのですが、この道の駅にはRVパークが併設されていたんですね。RVパーク利用者専用のトイレ、水場、ダンプステーションまで備えてあるかなり高規格なRVパークです。なんでもっと早く気が付かなかったんだろう?って思ったら、わかりました。私がRVパークを検索する際には「くるま旅クラブ」のサイトにて「トレーラー可」という条件を付けて検索するんです。そして、こちらのRVパークは「トレーラー不可」になっていたので、ヒットしなかったようです。
しかし、調べてみると駐車スペースは長さが9mもあるし、区画の正面には一般の駐車スペースがあるのでヘッド車の駐車も問題なさそう…。もっと早く気づいていれば、相談できたかもなぁ、と思うと残念でした。

「道の駅・おごせ仁摩」から車を走らすこと15分程。石見銀山世界遺産センターに到着です。
駐車場はこれだけの広さがあることと、朝一でやって来たことでトレーラー付でも問題なしでした。バス専用区画とは別に中型車区画も用意されており、そちらを利用させてもらいました。係の方に確認をすると、お昼まで止めていて構わないとのこと。駐車料金は無料です。

今回、石見銀山を訪れるに当たって、初めて知ったことがたくさんありました。
まず、石見銀山観光として誰もが訪れる「龍源寺間歩」へは車でアクセスすることができません。石見銀山公園駐車場から徒歩で40分、またはレンタサイクルや電動カート(運転手付きの乗り合いバスのようなもの)で訪問することになります。
そして、石見銀山公園駐車場はそれほどの規模でないため満車になりやすく、そこからまた少し離れたところにある世界遺産センターが石見銀山観光を拠点にするとよい、という話でした。

さて今回、もちろん「龍源寺間歩」の訪問が一番の楽しみですが、坑道を歩くだけではただの「洞窟探検」になってしまいます。
なので、まずは世界遺産センターで石見銀山の歴史について勉強していくことにしました。

石見銀山は日本最大級の銀山跡。
2007年に世界遺産に登録されています。

石見で銀が産出されていたのは戦国時代から江戸時代にかけて。
その頃、日本の銀は世界の銀産出量の 3〜4割 を占めていたそうで、ヨーロッパ諸国からは「黄金の国」と呼ばれていたそうです。

それにしても、「すごいな!」って思います。
「何が?」って、それは…重機がない時代に、人の手で固い岩を砕いて銀を採掘していたんです。

そして、人の手だけで、これだけの坑道を築きあげていたのですから。
そして、さらに、

400年も昔だというのに、岩の中から銀だけを取り出す技術があったという話にも驚きです。

そのメカニズムはというと、
① 「鉱石を砕き、鉛と一緒に溶かす」…銀は鉛と合金になりやすい性質があるため、高温で熱して鉛を加えると、銀が鉛に溶け込み「貴鉛(きえん)」という合金になる。

これが「貴鉛」。

②「灰の皿の上で再加熱する」…貴鉛を骨灰や灰で作った皿の上に置き、800〜850℃ほどで加熱する。鉛は酸素と反応して酸化鉛となり、灰に吸い込まれていく。 一方、銀は酸化しにくいため、灰に吸われずに粒として残り「灰吹銀」と呼ばれる銀になる。

これが灰吹銀。
③「残った銀をさらに精製する」…灰吹銀をさらに繰り返し加熱することで銀の純度を高めていく。
現代においても、私のような一般庶民には見当もつかない作業です。戦国~江戸時代での話ですよ。すごいですよねぇ~。

VRで銀山の坑道体験。
石見銀山には大きく分けて、「龍源寺間歩」と「大久保間歩」の二つの坑道があり、一般公開されているのは「龍源寺間歩」だけです。ちなみに、「間歩」とは坑道のことを指すそうです。
このVRでは、非公開の大久保間歩を体験することが出来ました。

そして、これまた「すごいなぁ~」って、思いました。
「石見銀山」とはいうけれど、銀山という名の山がある訳ではありません。実際に銀が取れていたのは、このエリアにある「仙ノ山」という山です。逆に言えば、銀が取れていたのは、「石見地方一帯の山」という訳ではなく、「仙ノ山」だけだったんです。
狭い日本とはいえ、山なんていくらでもあります。そんな中、石見にある仙ノ山という山に銀があるって、どうやってわかったんでしょ?銀の塊が落ちていたのならともかく、鉱石の中に含まれているってだけの話ですよ。そして失礼ながら、外から見たらなんの変哲もないこの一つの山が400年前の世界を動かしていたというのですから…。本当に「すごい話だなぁ~」って、思ってしまいました。

こちらが、石見銀山の観光ルート。
画像中央のB地点が石見銀山公園。そして、C地点が龍源寺間歩です。その間を歩くと約40分です。ちなみに、レンタサイクルを借りられるのはA地点。よって、歩いていくか、レンタサイクルで行くか、で出発地点が異なります。
そして、世界遺産センターからB地点、A地点まではバスが出ていますが、今回は時間が合わなかったため、B地点まで歩いていくことにしました。車道では遠回りになりますが、歩くのであればショートカットコースがあります。

こちらが、ショートカットコースの入口。世界遺産センターの駐車場から始まっています。
「熊出没注意」にビビりながらも、行くことにしました。

いきなりこんな階段。

車道に出れば、石見銀山公園まではあとちょっと。
大した距離ではありませんでした。

こちらが、B地点である石見銀山駐車場。
まだ朝早い時間だったので、駐車スペースには空きがありました。しかし、大型車区画にはコーンが立てられていたので、観光バス専用でしょう。どっちみち、我が家がここを利用するのは難しかったかと思われます。

さて、この先はずっとこんな道を歩いていきます。
レンタサイクルや電動カート(乗り合いバス)を利用する場合も、この道を進むことになります。

道端に現れた小学校。
現役です。

風情ある街並みを眺めながらのお散歩はとても気持ちのいいものでした。
夏だとちょっと(かなり)しんどいと思いますが、この時期なら40分の道のりは長く感じませんでした。

龍源寺間歩の入口に到着。
ここで入場料を払って、さらに奥へと進みます。

ちなみに、坑道の入口ではヘルメットを貸してもらえます。
体裁を気にしてか着用しない人もチラホラと見受けられましたが、絶対に借りた方がいいです。坑道の高さは1.6m~2.0m、幅は0.9~1.5m程度なので、それほど広くはありません。私は何度も頭(ヘルメット)を壁や天井にぶつけました…。

では、いって参ります!

龍源寺間歩の長さは630m。そのうちの157mが観光用として公開されています。
坑道はほぼ水平に伸びているのでアップダウンはありません。

この龍源寺間歩は- 江戸時代初期〜中期にかけて開発され、約230年にわたり採掘が続いていたそうです。
石見銀山の中でも大久保間歩に次ぐ大坑道で、良質な銀鉱石が多く採れた場所だったとか。




途中には20以上横穴が彫られています。鉱脈にぶつかるとその脈に沿って横穴を掘り、銀を採掘していたのだとか。
壁面にびっしりと残されたノミの跡は、当時の労働の過酷さを表しているかのようでした。

いやはや…よくぞ、固い岩をノミでこれだけ削ったものです。

入口から進んでくること157m。少し広い空間に出ました。
これより先はというと、

坑道がさらに狭くなるため行き止まり。見学コースはここで終了になっていました。
あの柵の奥をさらに進むと195m地点で落盤のため坑道は塞がっているそうです。

ここから坑道は90°折れ曲がります。この先は見学者のために昭和に入ってから彫られた新坑道なんだとか。
出口へのアクセス路であり、石見銀山を解説する展示スペースにもなっていました。




坑道の掘削は水との闘いでもあったようです。彫れば彫る程地下水が噴出し、排水処理のための水路が彫られたり、水を「上へ」運ぶ技術も発達したのだとか。
知れば知るほど、この現場での労働の過酷さが身に染みてくるのでした。

出口です。167mの坑道はスタスタと進んでしまえば本当にあっという間です。なので、何も考えずに「歩いただけ」だったら、「これのどこが世界遺産なのよ?」という感想をもってしまうかもしれません。
そういう意味でも、世界遺産センターで銀山の歴史について先に学んできたのは正解でした。

こんなものが置かれていました。
おそらく、ここを坑道を案内するガイドさんが説明のために使っているものなんでしょう。

これは螺灯(らとう)と呼ばれ、サザエの殻に油を入れ、綿布などの芯を差し込んで火を灯すことでランプとして使われたいたそうです。「置いても倒れにくい」「火で焼け焦げにくい」という特徴から、サザエの殻は坑道で使う灯りとして理にかなっていたんだとか。また、炎の揺らぎが酸欠のサインにもなったそうです(火が弱る=空気が薄い)。

これが、「銀」なのかな?

それにしても、銀が採掘されたのは、図にある「入口」と「出口」に挟まれた仙ノ山だけなんです。

そして、きれいに動脈に沿って坑道が彫られ銀の採掘がおこなわれていたんです。
ホント、すごい話だな。

出口から続く道をトコトコと歩いていくと、間もなく先ほどの道に合流しました。

このY字になっている2本の道に挟まれたところに立つのが「仙ノ山」。
しつこいようですが、この一つの山が、400年前にヨーロッパの国々にまで知れ渡り、「黄金の国」と呼ばれていたというんです。

世界遺産センターに戻りました。滞在時間は約5時間。たくさん歩いて、勉強もして、楽しい一日でした。
ちなみに、龍源寺間歩はガイドさんを付けて歩くこともできるそうです。それも一人500円で90分もかけて案内してくれるのだとか。ガイドさんから話が聞けたらもっともっと学べることはたくさんあったことでしょう。今回は子ども達の歩くペースが読めなかったこともあり利用しませんでしたが、次に来ることがあったら話を聞きながらもっと時間をかけて周れたらいいな、と思いました。

では、出発!
次の目的地は松江市・宍道湖です!
RVパーク宍道湖

出雲市を通り抜けて宍道湖の北側へと回り込みました。
そう、出雲市と言えば出雲大社。もちろん、訪問予定です。けれど、明日、電車で訪れることにしました。鉄道好きなパパは島根に来たら一畑電車に乗っるのも楽しみだったんです。

「RVパーク宍道湖」に到着。
ここには今日から4泊の予定。トレーラーを牽いているとどうしても駐車場の制約を受けてしまうので、ここを拠点にして出雲大社、松江城、境港などの名所を回ることにしたのでした。
なので、2025-26年の年越しもここ宍道湖で迎える予定です。

背中に通っているのが一畑電車。
長男とパパにとっては素晴らしいロケーションです。

そして、正面は家族全員にとって嬉しいロケーション(笑)。
目の前の道路はかなりの交通量があるので音が少し気になりますが、景色を堪能できるRVパークであることに間違いはありません。

子ども達は早速、宍道湖へ。

長男は
おさかな、とる!
と張り切って網を持っていきました。いくらなんでも網でお魚は獲れないでしょ…。

寒さを気にせず遊んでいる子ども達。
そして、ふと気づくと湖の向こうには幻想的な風景が広がっていました。

冬の日本海側は雲が多いからこそ、雲が切れた瞬間にこんな風景が現れるのでしょうか。4泊の滞在中に、何度かこの光景に出会いました。
雲の切れ間から差し込む光は、まさに“天から光が降りてくる”ような雰囲気。その光の先に、神々が集う地・出雲大社があることを思うと、本当に神様が舞い降りてくるかのような感覚を覚えたのでした。
さて、ここまで走りっぱなしの毎日でしたが、明日からはのんびりできます。しかも、明日は電車で出雲大社を訪れるの旅。楽しみです!
備忘録
12月30日(火)
道の駅ごいせ仁摩8:10→8:30石見銀山世界遺産センター13:10→13:30道の駅ごいせ仁摩14:25→16:05RVパーク宍道湖17:05→17:10ちどり湯18:40→買い出し→18:50RVパーク
この日の走行距離:牽引あり95km+牽引なし5km=100km
この旅での走行距離:牽引あり1165km+牽引なし77km=1242km