
今日は標津を出発。まずは野付半島をドライブして、それから根室半島を目指すことにしました。
野付半島は知床半島と根室半島の中間に位置する、細長く海に突き出た半島です。海流によって運ばれた砂が堆積してできた半島でその長さは全長約26km。今でも形を変え続けているらしいです。エビの形をしたその半島は、地図を見ているだけでも興味をそそられる不思議な地形をしており、「何もない」とわかっていながらも、その先端まで行ってみたくなってしまいます。
結論を先に書いてしまうと、そこに広がっていた景観は「素晴らしい」の一言に尽きるものでした。自然の持つ偉大な力と、その美しさを見せつけられた瞬間でした。今回の20日間に及ぶ北海道旅行の中でも、最も「北海道らしい」という言葉がふさわしく、あるいは「日本とは思えない!」とさえ感じた風景に出会えた一日となったのでした。
さて、トレーラーを連結して標津のキャンプ場を出発です!
野付半島

随分と東へ移動してきたので、ますます朝が早くなってきました。調べたところによると今日は4時15分くらいに日の出を迎えていたようです。
トレーラーから出た時、まだ5時前だというのにこの明るさで、太陽はすでに雲の高さまで上がっていたのでした。

さて、子ども達は「釣りをしたい!」と気合を入れて早起きしてきました。

朝5時にして釣り開始です。

知床半島は昨日よりもハッキリと見えていました。
本当に心が洗われる眺めです。美しい。

長女もルアーフィッシングに挑戦。
しかし…二人とも坊主でした。昨日はちょびちょびと釣れたのに。時間の問題かな?それとも、この時間の明るさに対してルアーの色が合っていなかったのかな?
何かしら理由はあるのでしょう。それが釣りの奥深さなんだろうなぁ〜。

トレーラーに戻って朝ご飯。

そして、撤収開始。

そうそう、長男がペグを抜けるようになりました。
ぐるぐる回せば抜けるよ!
とのこと。君もたくましくなってきましたなぁ〜。

撤収完了です!
う〜ん…あまりにも快適なキャンプ場で、もう1泊しようか今朝になっても悩んでいたのですが、今朝は釣れなかったことである意味諦めがつきました(笑)。
また道東へ遊びに来ることがあったら、ぜひまたここを訪れたいです!パパとしては、標津の町中をサイクリングして鉄道の廃線後を回りたかったんですよねぇ〜。そんな消化不良もあるので、ぜひともまたここには遊びに来たいと思います!

標津の町を出発したら、すぐに野付半島に入ります。海を流されてきた砂が蓄積して出来たという半島、というだけあってとても細長い半島です。道路の左右にはどちらにも海が広がっていました。
そうそう、この道を走っているとあちらこちらに使われなくなった牛舎を見かけました。後で知ったところによると、昔は酪農と漁業を掛け持ちして生活を営んでいる方が多かったそうです。同じ一次産業といえどその仕事はかなり異なります。そして、海に突き出た小さな半島での生活、冬の厳しさは内地の人間には想像もできない苦労があったことでしょう。この土地には過去にどのような風景が広がっていたのだろうか?そんなことも考えながら車を進めたのでした。

駐車場を見つけたので車を止めてみました。
国後島がさらに近くなった感じです。その距離は16kmとのこと。

私はこの野付半島も30年前に自転車で走っています。
それにしても、半島の先端は行き止まりなんだから、走ったところで来た道を戻らざるを得ません。その距離は片道20kmあるので往復で40km。ハッキリとした記憶はないけれど、この性格なので先端まで行ったんだと思います。自転車で一日に走れる距離は100km程度なのに、よくぞ40kmも余分な距離(!?)を走ったなぁ…と、今になってみると我ながら呆れてしまったのでした。

半島はエビのような形をしています。
先端に向かって進んでいくと、海の向こうに「尻尾」の部分が見えてきました。

また駐車場を見つけたので停車。

海の向こうに「ナラワラ」が見えます。

「ナラワラ」とは、立ち枯れたミズナラの林です。半島の先端に近づくとトドマツが立ち枯れた「トドワラ」あり、ここの名物になっています。
さて、こんな風景が生まれた原因はというと、それは野付半島の特殊な地形と環境の変化にあるとのことでした。
野付半島は、長年にわたる地盤沈下と海流による海水の浸食が進行していて、かつて原生林だった場所に海水が浸入し、土壌の塩分濃度が上昇してしまうのだとか。そうなると、塩分に弱いミズナラは立ち枯れてしまい、現在の枯れ木の群生となったそうです。

海の中に何かがいる!
鹿でした。この日もかなりの暑さでしたから、涼みに入っているのでしょうか。この辺り、どこにも日陰はないですからねぇ〜。

それにしても、なんだか日本離れした風景です。しかし、この風景はどこかで見たことがあるように思えました。それは、星野道夫さんの写真集です。アラスカで生きるヘラジカをとらえた写真に、これと似たような風景がありました。
そう。そう感じるくらい、野付半島に広がる風景はまるで「これぞ、北海道」いや、「日本とは思えない」というか、「この世のものとは思えない」と思わせるほどの幻想的な世界が広がっていたのでした。

野付半島ネイチャーセンターに到着。

ここで、野付半島についてお勉強です。

野付半島の形はこんな感じ。
本当にエビみたいでしょ?

上空からみた姿はこんな感じらしい。
「美しい」という表現がピッタリではないでしょうか。いやはや…自然の力が作り出す世界って本当に素晴らしいです。

ちなみに、野付半島は今でも「伸び続けている」部分と「浸食されて沈んでいる」部分が同時に存在しているそうです。そしてこの先、ナラワラやトドワラは海中に消滅すると言われているそうです。ここには詳しく記しませんが、そのメカニズムは感動さえ覚えるものでした。
今ここに広がっている風景は地球が何億年、何十億年という時間をかけて作り上げてきた姿に他なりません。ナラワラやトドワラの出現と消滅もその過程の中での出来事の一つなのでしょう。そう考えると、偶然の重なりによって作られた貴重な「一瞬」に自分が立ち会えたということが無性に嬉しくなってしまったのでした。

ネイチャーセンターの裏手からの風景です。
この先にトドワラ(トドマツの立ち枯れ)が見られるエリアがあります。

トドワラまでは歩いていくことができるのですが、距離にして片道1.3km、時間にして25分とのこと。
「トラクターバス」なるものもあったのですが、ちょうど出発してしまった後でした。

歩いていこうか悩んだのですが、メチャクチャ暑いんです!
日陰なんかどこにもなさそう。「往復1時間」と考えると、かなりの苦行になってしまうだろうということは容易に想像ができました。

という訳で、トドワラは断念することにしました。
ここまでの道中でも野付半島の魅力は十分に堪能することができました。今度、秋に来ることができたらゆっくりと歩いてみたいものです。

さて、ネイチャーセンターの先にもまだ少し道が続いています。
行ってみることにしました。

この駐車場が道路の終点。
実際にはまだ先にも道は続いているのですが、鎖がかかっており許可証を持っている車しか入れません。

しかし、歩きなら入っていいらしい。
ということで、少しだけ歩いてみることにしました(相変わらず暑いけど…)。

いやぁ〜、いい意味でため息しかでない風景です。日本にもこんなところがあったのか、と。そして、アラスカのダルトンハイウェイを思い出させる風景でした。
ダルトンハイウェイは北米大陸で唯一、北極海に通じている道で、フェアバンクス〜プルドーベイの間、約800kmの無人地帯に伸びている道です。800kmのほとんどがダート道なのでなかなか進めず、白夜で明るいのをいいことに毎日、21時、22時まで走り(自転車を押し)続けて10日で走り抜けたのでした。懐かしい〜20年前の思い出です。

ガサガサッと音がしたので何かと思ったら鹿でした。

まぁ、ここまでの道でも鹿はたくさん見ていたので、こんなところで出会っても不思議ではありません。

しかし、こんな距離で見るとやっぱり怖いな…。
おとなしい鹿でよかった。

先端までは歩いて1時間半くらいかかるそうです。キリがないので、この辺りで引き返すことにしました。ちなみに、江戸時代にはこの道のずっと先、この半島の先端に「村」があったというのだから驚きです。どうやって暮らしていたんだろう?当然ながら車などない時代。船が生活の足だったのでしょうけど、大変だっただろうなぁ。
ちなみに、この辺りも蚊がすごいところでした!歩いているだけでもすごい数の蚊に囲まれていました。長袖長ズボンと虫よけスプレーは必須です!

楽しかったな。
北海道の中でもとりわけ、「日本らしくない風景」を満喫したの付け半島でした。ぜひとも次は歩きやすい季節に来てみたいものです。
さて、今日は長いです。この後は根室半島に向かって南下です!
(つづく)
備忘録
8月6日(水)
しべつ「海の公園」オートキャンプ場8:25→9:05野付半島ネイチャーセンター9:35→9:55野付半島先端10:05→旧奥行臼駅逓所12:45→14:10納沙布岬15:40→16:50道の駅スワン44ねむろ
この日の走行距離:牽引あり194km+牽引なし0km=194km
この旅での走行距離:1993km+牽引なし440km=2433km
