春の房総半島の旅、最終日。今日は鋸山を歩きます。といっても、ロープウェイで上まで行って、下りを歩こう!という作戦。
長男はまだ3歳。歩ける距離はだいぶ伸びてきましたが、それも気分次第。「抱っこ」の連続になってしまっては大人が辛いので楽なコースをとることにしました。
さて、出発です!長男、どれくらい歩けるかな〜?
鋸山お散歩
鋸山ロープウェイ
ロープウェイの運行開始30分前に駐車場到着。すでにかなりの方が並んでいました。
ちなみに、鋸山ロープウェイの駐車場はこれまで無料でしたが、2024年3月より有料になっています。一日500円なり。ホームページを見てみると「バスでご来場の際は予約が必要です」と書かれていたので前日に電話をしてみたところ、バスの予約が入っていなかったので大型車スペースを使わせてもらえることになりました。係の方の対応はとても丁寧でした。
さて、まだ営業開始前ですがロープウェイは試運転をしていました。そう、今日も結構な風が吹いているんです。山頂から降りてきたロープウェイはぶーらんぶーらんと振り子の様に揺れていました。
無理かな…?こりゃ。
結果、係の方のアナウンスによると、「試運転を2回行った結果、運行できることが確認された。」しかし、「乗っている間はかなりの揺れが予想される」。そして、「これ以上、風が強くなったら運行は中止する」「上に上がれても帰って来れなくなる可能性がある」「歩いて降りてくると登山道を2時間歩くことになる」とのことでした。うん。我が家は元々歩いて下りて来る予定だったので、上がれさえすれば問題なしです。高所恐怖症のママはビビっている様子でしたが…。
ちなみに、山頂の日本寺へは「鋸山登山道路」を使って車で上がることもできます。通行料金1000円がかかりますが、ロープウェイ代よりは遥かに安いです。しかしながら…我が家としては、あの激坂をトレーラー付きで上りたくはないですからねぇ。
チケット販売開始!
ロープウェイは高低差233Mを4分で駆け上ってくれます。
そして、山頂付近に広がっているのが「日本寺」。我が家は今回、この日本寺を通り抜け、鋸山の登山道を歩いてロープウェイ駐車場まで歩いて下りて来る予定です。
ちなみに、日本寺はその境内を一周するだけで1時間半かかるというのだから、随分な広さですよねぇ〜。
1便は満員になって次を待つことになりましたが、2便に乗車することができました。
普段は15分間隔での運行ですが、この時間はお客さんが並んでいたのでピストン輸送とのこと。なので、5分後には乗車することがでました。
うわ〜お!
一気に東京湾が眼下に広がりました。
海の向こうは三浦半島。何本か見える大きな煙突は横須賀火力発電所ですね。向こうは神奈川県、こっちは千葉県。なんだか不思議。
話にあった通り、ロープウェイはまぁまぁ揺れました。「大丈夫」とは思っていても、やっぱりドキドキしちゃいました。
ロープウェイ山頂駅に到着。展望台へ。
いやぁ〜、すごい風だ!
眼下に保田漁港。昨日、夕ご飯を食べた「ばんや」はあそこです。
空から見る世界って面白いですよね。人間がいかにはかない存在であるか、ということを教えられます。
記念写真をパチリと撮って、山歩きスタートです!
地獄のぞき
出発!
少し歩くと日本寺の境内に入ります。なので、山歩き目的で通り抜けるだけでも拝観料を払わなければなりません。
「ロープウェイ代+拝観料」を「大人2人分+小人2人分」も払うとかなりの金額になってしまいます。けど、この先にそれだけ払う価値がある風景が見られるハズ!
今回、鋸山の山頂は目指さず、鋸山周辺の「見所」を周りながら登山道を歩くことにしました。
3歳の長男、本格的な山歩きはこれが初めての経験になるので、どこまで歩けるかは未知数です。ロープウェイ山頂駅〜下山するコースを歩くだけでもコースタイムにして2時間の道のり。それ以上のチャレンジはしないことにしました。
まず目指したのは、
あそこっ!
「地獄のぞき」です。
頑張れっ!
はいっ、チーズ!
上から眺めるとこんな感じ。
すごいぞ!この眺め!この迫力!
長女は、
この手すりを付ける工事をした人、どうやって付けたんだろう?
なんて言っていました。なかなか鋭い視点だね。
この先にも見所は続きました。
写真でどれくらい伝わるかな?
とにかくすごい迫力です!
人間が「人力」で作り出したんだもんなぁ。
凄いよなぁ。
さて、来た道を少し戻ってから、「地獄のぞき」の下を歩いてみました。
現れたのは、
現れたのは、百尺観音。
凄い!
とても不思議な感覚でした。自然の中に、人が作り出したもの。その融合がとてつもない感動を与えてくれます。
ちなみにこちらの観音様、昭和35年から6年の歳月をかけて石切場後に彫刻されたのだとか。航海、航空、陸上交通の安全を守る本尊として崇められているのだそうです。
ラピュタの壁
さて、ここから先は日本寺の外になります。
受付の方からは「滑りやすいのでお気をつけて」とご丁寧なお言葉をかけて頂き、登山道に入りました。
長男はまだ大丈夫そう。
頑張ってくれよぉ〜!
この先も絶景が続きました。
ここは「ラピュタの壁」。
「ラプタの壁」とはよく言ったものです。
思わず、バズーがよじ登っていないか探してしまいました。(笑)
上から順番にスライスして切り出し、最終的に垂直になったそうです。
切り出した石のサイズは82cm✕26cm✕26cm(29cm)、重さは80kg。ツルで割れ目を入れてくさびで割っていたんだとか。
これを一人の職人さんが一日に8〜10個も切り出していたそうです。
凄い歴史的遺産ですね。
岩舞台
この先も急な下りが続きます。
ねーちゃん達が弟を優しくサポートしてくれました。
「岩舞台」に到着。
ここも凄いぞ!
垂直です。
見上げていると、首が痛くなってくる。
けど、見上げてしまう。
下の方に長女が立っています。
どれくらいの高さなのか、お分かり頂けるでしょうか?
壁の途中に、「安全第一」という文字が彫られていますが、よく見るとその文字の辺りを境目に上と下では岩肌の模様が少し異なっています。
あの文字より上はツルで岩を切っていた「手切りの時代」で、「安全第一」の文字のより下はチェーンソーが使われるようになった「機械切りの時代」なんだそうです。その切り替わりは昭和33年だとか。
ちなみに、鋸山での石切は江戸時代中期から昭和60年まで行われていたそうです。ということは、パパが生まれた時代はまだここで石切が行われていたんですねぇ。
こんな遺産も。
歴史を感じさせる色具合です。
石切場に背を向ければ、眼下に東京湾。ちょうど、久里浜行きのフェリーが出港していくところでした。
この風景を眺めながら、ここで石を切って運んでいた訳ですね。どんなことを考えながら仕事をしていたのかなぁ。
観音洞窟
さらに山を下り「観音洞窟」に到着。
ここも凄い!
ここも、まさにラピュタの世界。
どこからかロボットが飛び出してきそう。
見上げるとこんな感じ。
上部の岩が迫り出して残っているのは、天井部を階段状に堀り残して傾斜をつけることによって崩落を防いだのだとか。
なぜこんなところに?
ご飯食べられているのかな?
お友達もいなくて、ちょっと可哀想…。
さて、この辺りは迷路でした。YAMAPの地図を見ても「道を間違えやすい」とコメントが書かれています。
ホント、よく作りましたね。
猫丁場
さらに下りま〜す!
最後の見所、「猫丁場」に到着。丁場とは石切場のことなんだとか。
そして、ここには猫がいるらしい。
どこだろう?
いた!
解説によると、この猫は職人さんの遊び心によって掘られたのではないだろうか、とのこと。休み時間にでもコツコツと掘っていたのでしょうか?
過酷なお仕事だっただろうに、和まされる作品です。
あれは?
これも作品なのでしょうか?
ロープが張られていて、中は立ち入り禁止でした。
車力道
この先は「車力道」と呼ばれる道。
登山道は石畳になります。
ご丁寧に(!?)、岩が削られている。
なぜ、このように丁寧な道が作られているのかというと…
切り出した石を台車で運んでいたからだそうです。
80kgもある石を3つも台車に乗せて、この坂を下っていたのだとか。しかも、それは主に女性の仕事だったとか。1日3往復もしていたそうです。
どこまで凄い話の連続なのでしょうか!?
長男は何度か
抱っこぉ〜!
ってなりましたが、お菓子を握らせると復活してくれました。
そして、最後はなんと「かけっこ大会」。
すごい体力!
12時。ロープウェイ駐車場に戻って来ましたぁ〜♪
ロープウェイ山頂駅からの移動時間は2時間32分の道のりでした。あれだけ寄り道をしていたのに、コースタイム2時間の道をそれだけの時間で歩いてしまったなんてたいしたもんです。長男(3歳)の最高記録です!
よく頑張ったねぇ〜♪
後ろ髪を惹かれながらもそのまま帰路につきました。
せっかくこんなにいい天気だから、もう少しのんびりしていきたいところでしたけどねぇ。アクアラインの渋滞を考えると、やはりお昼には抜けておいた方がよいかな、と思いまして。
そんなこんなで、毎年恒例になっている「春の房総」を満喫した週末でした。
けどけど、鋸山は始めての訪問。長男が4km近くも歩けるようになったことにパパは感激でしたよ!また、我が家の新しい遊び方が見えてきたでもありました。
今歳は山でたくさん遊ぶぞぉ〜!
備忘録
道の駅・保田小学校8:16→8:45鋸山ロープウェイ山麓駅12:05→(アクアライン)→15:00自宅
この日の走行距離:牽引あり133km+牽引なし0km=133km
この旅での走行距離:牽引あり310km+牽引なし0km=310km