キャンピングトレーラーAVIVA472PKに念願の排水タンクを設置しました!
我が家のトレーラーには排水タンクが常設されていませんでした。よって、水道を使う時はその都度、排水パイプの出口にバケツのようなタンクを設置して水を溜めなければいけませんでした。
キャンプ場にいる時はそれでもいいのですが、高速道路のSA・PAや道の駅などで食事やP泊をして汚水が出た時が面倒なんです。溜めた水はどこに捨てればいいのよ?もちろん、捨てる場所はないので、汚水の入ったタンクはトレーラーのフロントロッカーに入れて持ち運んでいました。
トレーラーで1日3食を自炊し皿洗いまでしてしまう我が家にとって、排水の処理は大きな課題であり、排水タンクの設置は祈願でもありました。
タンクを固定する台座の作成
どうやって設置しようかな?
トレーラーの床下に潜り込んで、何時間も何日間も考え続けました。
水の入ったタンクを設置し、そして走るのですから、相当な強度が必要です。トレーラーの床下は木でできているのでいくらでもネジを打ち込むことはできるのですが、厚さ20~30mm程度のべニアにネジを打ち込んで、数十kgある水タンクをぶら下げて走るというのはなんだか怖い気がします。
という訳で、このネジに目を付けました。
フレームとボディーを固定しているネジです。ナットをはめ込んでみたら、ネジの太さはM10でした。
2cm程、ネジ部分の余りが飛び出していたので、そこにL字金具を取り付け、ここに木材で作った台座を固定してみたらどうだろうか?と考えました。
まずは、排水タンクを設置するための台座を作ります。
ホワイトウッドの2×4材を組み上げ、油性ペンキでコーティングしました。
見た目は単純だし、こうやって書くと簡単そうですが、トレーラーのフレームにあるネジとの位置をぴったりにしなければならないため、「仮」のものを作ってはトレーラーの床下に潜り込み、はめてみて、また作り直し…の繰り返しでかなり時間がかかりました。
トレーラーのフレームに固定するために使う、L字金具を台座に取り付けます。
塩ビパイプでタンクの作成
お次の作業は、「排水タンク」となる塩ビ管の加工です。
ちなみに、塩ビ管にはVP管とVU管があります。VP管は給水管として使うもので、水圧に耐えられるよう肉厚になっています。それに対して、VU管は排水に使うものなので、強度は必要ないため肉薄になっています。
今回は水を溜めることが目的で水圧を掛けるようなことはないので、「軽いくて安い」VU管を使うことにしました。
塩ビ管を組み上げていきます。
接着剤は一瞬でくっついてしまうので、緊張する作業が続きます。
設計図通りの「排水タンク」が完成!
なんだか、“大人のブロック”みたいで楽しかったです。つい、無意味に面白い形を作りたくなってしまいました。(笑)
さて、次はこれを、
タンクをトレーラーに固定
事前に作成しておいた台座に固定します。
そして、いよいよ「排水タンク」をトレーラーの床下に設置する訳ですが、その前に大きな仕事があります。
既存の排水パイプの切断です。これを切ってしまったら、もう元には戻れません。本当に切ってしまっていいのかな…?
えいっ!
思い切って鋸でカットしてしまいます。
※ 画像左側に2本の白いホースが垂れていますが、これはサブバッテリーから発生する水素ガスを車外に逃がすためのホースです。
そして、排水タンクを取り付けた台座をトレーラーのフレームに固定。といきたかったのですが、これがなかなか上手くいかなかった…。あまりにもギリギリの寸法で設計してしまったもんで、台座がトレーラーのフレーム内に入り込めませんでした。
そのため、一度、台座を分解し、
フレームの中で再び組み上げるという荒業を展開しました。
トレーラーの右側・左側の床下を何度も行き来し、重い排水タンクを持ち上げ、ネジで固定。トレーラーの床下は本当に狭く、なんとか潜り込めても手や頭を自由に動かすことができません。そして、常に首を上げていないと何も見えません。辛い作業でした。
なんとか、トレーラーのフレームあるネジに排水タンクの台座を固定することができました。
この作業に2時間を要し、身体も服もボロボロになりました。
既存の排水パイプとタンクの接続
排水タンクを設計する際、頭を悩ませたことの一つに「どうやって新設タンクと既存の排水パイプを接続するか」ということがありました。しかし、これは簡単なことでした!
既存パイプ(画像右側の黒いパイプ)の外形は27mm程。ホームセンターを物色したら、内径25mm・外形31mmというゴムホースを発見しました。ホースの内径よりパイプの外形の方が2mm程大きかったのですが、ゴムは伸びるのでパイプに食器洗剤を塗ってみたら簡単に入れることができました。
続いて、そのゴムホースと新設タンクとの接続ですが、これも簡単でした。塩ビ管キャップに直径30mmの穴を開け、ホースをそこに差し込んだだけです。ホースは10cm程をタンクの中に差し込んでおいたし、穴の直径よりホースの直径の方が1mm大きいのでガッチリと固定されています。走行中に抜けることはないでしょう。
排水コックの設置
次に頭を悩ませたのは、タンクに溜まった水の排水方法です。せっかく作るのだから、コックをひねるだけでジャバっと水が流れ出るようにしたいところです。そこで、コックは農林水産用のコンパクトボールバルブを使用しました。しかし、このことについて、ネットで注文したらお店が電話を下さりアドバイスをくれました。
「コンパクトボールバルブは給水管(VP管)に使うことを想定しているものなので、バルブ自体の重量がかなりあり、コックもかなり固い。VP管もVU管も外径は同じなので接続はできる。ただし、VU管にこのバルブを接続して開閉を繰り返すと、肉薄なVU管は割れる可能性がある。よって、コックの開閉時に、VU管とコックの接続部分にテンションがかからないようにする工夫が必要。」とのことでした。わざわざ電話を下さり、そんなことを教えてくれるなんて親切なお店です。
ちなみに、私が塩ビ管を購入したのは、山形県にある『ネットショップどうや』というお店でした。おすすめです!
ということで、どのようにバルブを固定するか頭を悩ませました。
結論としては、バルブの前後を「ナット付きプレート」でガッチリと固定し、さらにはプレートを20mm厚の板2枚重ねにした土台に固定。そして、この土台は6本のネジで床下に固定。という方法を取りました。
また、パイプはバルブの前後のみVP管を使用しました。VU管もVP管も外径は同じなので、混在させることは可能です。
バルブの取り付け位置についても悩みました。
排水のことを考えれば一直線で後方に伸ばしたいものですが、そうすると急坂の上る際に「ガリッ」とやってしまう可能性がでてきます。(デパーチャーアングル)
そのため、画像にある赤線より内側にパイプを納めなければなりません。となると、排水コックはどこに設置しよう?
結果的には、フレームの外側に出したパイプは90°エルボーで前方に折り曲げました。
フレームの内側にあったパイプをデパーチャーアングルギリギリのところでフレーム下をくぐらせ、
パイプは前方に伸ばしました。
こうしてしまうと、排水の時に水を出し切れなくなる心配がありますが、まぁ仕方ない…。面倒だけど、ホイールジャッキを上下させてシーソー運動をさせれば、ほぼ出し切ることができるでしょう。
完成!
完成です!
塩ビ管は75mmサイズで組み上げました。トレーラーの床下を見てみると、最低地上高が一番低い所は車軸でした。なので、「車軸と同じ高さまで」という条件で考えたところ、75mmのパイプに行きついたのでした。
ちなみに、排水バルブの前後だけは50mmサイズに偏芯してあります。しかしながら、バルブが予想以上に大きく、そして固くてビックリしました。それを考えるともっとサイズダウンしておいた方がよかったな、と思いました。
タンクの形状はこんな感じです。
タンクの形状を考える上で重視したのは、「走行中に水の移動でトレーラーがバランスを崩すことがないようにしたい。」ということです。そのため、大きなタンクを設置するより、塩ビパイプで排水を「小分け」する方がよいと考えました。
次に塩ビパイプの並べ方です。パイプをトレーラーに対して横方向に並べてしまうと、カーブで遠心力がかかった時にタンク内の水が外側に集まって危険だと考えました。よって、パイプは縦方向に並べることにしました。
また、縦に並べたとしても、急ブレーキをかけた時は水が一気に前方へ集まるのでこれも危険です。そのため、縦のパイプは長さは50cmとして、水が移動する距離を極力短くしました。
こんな作りですが、排水タンクの容量は40Lを確保できています。我が家のAVVA472PKの給水タンク容量は40Lです。しかも、その水はトイレの洗浄にも使われ汚物タンクにも流れているので、排水タンク40Lは十分過ぎる大きさでしょう。
そんなこんなで、作業は手こずりましたが計画通りの排水タンクが完成です! ちなみに、かかった材料費は2万円程でしたぁ~!